濡れた後家花 ~義弟の姦計~

2011

『濡れた後家花 ~義弟の姦計~』は2011年にWIN用として、PHASE#ENDから発売されました。

未亡人モノの中では、最高レベルの満足度でした。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
愛する夫の遺志を守りたい・・・清純で殊勝な未亡人。
だが、夫への一途なその想いが、様々な男達を引き寄せる事となり・・・

<グラフィック>

始めた瞬間から、これは他とは違うなと感じました。
端的に言えば、しっとりとした感じというのでしょうか。
ヒロインである未亡人の憂いの表情であるとか、彼女の声であるとか、背景を含めた全体の絵の様子であるとか、どれもこれも同じベクトルにきっちりと纏まっているのです。

同人や低価格商品の多くは、どうにもチープ感があって、それは何かの要素が素晴らしくても、他の何かしらの要素が全体の雰囲気にそぐわない、或いはとってつけたような印象を与えているのであり、私はそれがずっと気になっていたのです。

もっとも、常に気にしているわけでもなく、同人や低価格商品を一杯やっているとこんなもんかと思い始め、段々気にならなくなりつつあったのですけどね。
あらためて、そういうことだったかと思い知らされた気分です。

個別に見ていきますと、ヒロインは若い未亡人です。
可愛い中にも清純さや品の良さがにじみ出ていて、特に印象に残ったのはHシーンでの表情でした。

こういうキャラが崩れる姿というのは、それだけでも興奮するものです。
そうしたギャップを楽しませようとするからか、最近の作品ではアヘ顔が流行っています。
それはそれで場合によっては良いのかもしれませんが、安易にアヘ顔に頼りすぎな上に、どうもその堕ちたときの顔まで、最近はテンプレ化している気がしてきてね。
それでどれも同じに見えて、段々と楽しめなくなっていました。

しかし、本作にはアヘ顔はありませんし、中々堕ちないので堕ちきった表情もすぐには出てきません。
でも、その悶える表情がとても淫靡さを漂わせていたわけで、何か忘れていたものを久しぶりに思い出したような、再発見したような気分にさせてくれました。
個人的には、このヒロインの表情だけでも満足です。
それと立ち絵では、恥じらいながら和服の裾をたくし上げる姿がツボでした。

グラフィックという面では、背景も良かったですね。
特に背景は、同人ゲーでは一番手抜きになりがちな要素でもあります。
しかし、ここで手を抜くことで、全体の雰囲気が損なわれることも多々あります。
その点、本作は、物語の落ち着いた雰囲気とマッチしていて、全体の調和も取れていて良かったです。
どうも原画さんは背景の方が好きなようですが、それも納得の出来であり、本作でも良い方向に作用したように思います。

基本CGは26枚で、差分込みだと200枚以上になります。
価格を考えればこれはかなり多い方でしょうね。

<感想>

ストーリーは未亡人が夫を亡くしてから新たな恋を成就させつつ、一方で相続を巡って義弟の罠にかかり、陵辱されてしまうというものになります。

選択肢は1個でハッピーとバッドに分かれますので、1つは陵辱ルートで、もう1つは陵辱されつつも、
最後は新たな伴侶と幸せにって感じになりますね。

このゲームは、すぐに未亡人のエロシーンが見たいとか、CGだけが目当ての人には向いていないでしょう。
何せ、この価格帯のゲームにしては長いですからね。

あらすじは他の陵辱モノと大差がないように思うのですが、長いだけあってしっかり描かれています。
最愛の夫を失い打ちひしがれる様子から始まり、死ぬ直後に夫が予言したような新たな男性との出会い、そしてその男性との恋愛へとつながります。
妊娠もして再婚も決まってハッピーエンド、もう1本分は楽しんだかなってところで義弟の罠が始動しだすわけで、ここから陵辱的な展開が始まるのです。
そしてヒロインが無事に助かるかは再婚相手の男の判断、つまりプレイヤーの判断に委ねられるわけですね。

ちなみに、Hシーンはバリエーションも豊富でしたが、比較的SMが多い傾向になっています。

まぁ、陵辱モノというよりも、前夫の亡き後のヒロインを描いた物語なのであり、雰囲気的には官能小説に近い感じなのでしょうね。
テキスト的にもそんな感じだと思います。
あまり無駄な展開もなく、長さのわりに流れに動きもありますから、だれることなくプレイできました。

また、サウンドも物語にマッチしていましたし、声優さんも熱演していて大人の女性の良さがにじみ出ていましたし、とても良かったように思います。

<評価>

決して目新しいことをしているわけでもないのですが、ストーリー重視のノベルゲーとして、とても楽しめました。
私は全機種通じての判断なので、同人だからという枠組では考えませんが、あえて同人に限るならば文句なしに名作だと思います。
ただ、その枠組を外した場合には、名作と言うにはあと一押し足りないのかなと思うわけでして。
ラストにもう少しインパクトがあるか、或いはサークルの前作にあったような、オマケの着せ替えゲームみたいなのとか、何かあれば総合でも名作扱いだったんですけどね。
特に着せ替えがなくなったのは、個人的には痛かったです。
そのため、一応良作にとどめておきますが、限りなく名作に近い作品でもあり、次にも期待したくなるような好きな作品でしたね。

ランク:B(良作)

Last Updated on 2024-12-16 by katan

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