『LOVE FOREVER』は1999年にWIN用として、Bunny Pro.から発売されました。
序盤のボリュームが凄かった作品ですね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
全国格闘技選手権で勝利したマサトは、密かに憧れていた小夜花に愛を告白し、付き合い始める。
初めて異性と付き合うことに戸惑う二人は、周りの友人達に冷やかされながらも幸せな時間を過ごしていた。
しかし・・・・・・災いは、突如訪れる。
ある事件がきっかけで、最愛の恋人・小夜花の記憶を失い、命を狙われるマサトの前に、天使が舞い降りた。
「私は・・・、主にあなたを守護するよう言われ、この地上に降りてきました・・・」
マサトは、これから始まる闘いが、周りの人間へ及ぶことを恐れ、天使を伴い家を後にした。
<感想>
ストーリーを良いと感じられるかとか、キャラが可愛いと思えるかなんてのは、プレイする人の主観に依存する部分も大きいため、どうしても意見は割れうるし、こうした部分だけが特徴の作品の場合、合わない人には何の価値もなくなるおそれもあります。
他方、量が多いか少ないかでゲームの良し悪しが決まるわけではないけれど、具体的な数値で表現できるものに関しては客観的に判断できますし、量が多い方が喜ばれるものもあります。
例えばグラフィック。
同じストーリーでも、CGの枚数が多い方が楽しめますよね。
本作のCG枚数は、全部で1200枚にも及ぶとか。
これは背景も含めての枚数なので、実数は減りますが、それでも当時のアダルトゲームの平均をはるかに上回っていました。
立ち絵も含めて、次から次へと画面が変わりますからね、普通な日常シーンであっても非常に楽しめたものです。
他にも、キャラクターがあります。
本作は学園物と格闘物が混ざったような作品であり、次から次と敵が襲ってきます。
RPGでもそうですが、戦う相手がいつも一緒じゃつまらないですからね。
本作はキャラ総数も100人を超えたはずで、この点でも本作は満足できる内容でした。
もちろん、雑魚キャラが多いだけではありません。
攻略対象のヒロインは6人いるし、他にもストーリーに関連するキャラもたくさんいました。
登場キャラが多くて、それで人間関係もきちんと描かれていれば、それだけ世界の幅も広がりますからね。
セカイ系が流行り始めた影響からか、アダルトゲームでも登場人物が少ない作品が増えていた時期だけに、この数の多さは逆に新鮮に映りましたね。
当時は、主人公とヒロインの関係さえ深く掘り下げていれば、高く評価される傾向にありました。
だから多数のキャラの人間関係の表現という点に関しては、あまり注目されなくなったように思います。
そのため本作のような作品は注目度が伸びなかったのだけれど、個人的にはこういう作品はもっと評価されて良いと思います。
また、純粋なゲームのボリュームがあります。
どれだけ面白い作品でも、ボリュームが少ない作品は例外なく叩かれています。
やっぱり高いお金を払って購入していますからね、
すぐに終わってしまっては寂しいですし。
本作は他のADVと同様に、共通ルートと個別ルートからなります。
この共通ルートが4~5時間かかったんですね。
あるいはもっと長かったかな。
今ならば、これよりもっとボリュームの多い作品も一杯あるでしょう。
しかし、当時の基準からすると、本作の共通ルートの長さは、これだけで並の作品の1本分のシナリオが終わってしまう程の量でした。
これにヒロインの数だけの個別ルートが加わるのです。
だからボリューム面では、ノベルゲーの中でも圧倒的で、個人的にはその大ボリュームに満足したものでした。
ただ、やっぱり今とあの頃では、ユーザーの考え方も感性も異なるのでしょうね。
今のエロゲユーザーがこの頃のノベルゲーをプレイすると、ボリュームが足りないと感じると思います。
実際、そういう感想は何度も目にしましたからね。
しかし当時のユーザーはそれが普通であり、満足していたわけです。
だから本作の大ボリュームに対しても、個別に入るまでが長すぎると批判的に捉える人も多かったのです。
最近の作品では、共通部分が10時間くらいの作品もあり、そうなるとさすがに私も長すぎると思うのですが、本作はそれよりは短いので大丈夫だと思うのですけどね。
この点に関しては、当時のユーザーよりも今の方が、好意的に捉えることができるかもしれませんね。
さて、以上が本作のおおまかな特徴となります。
端的に言うと、CGとキャラが異常に多くて、ボリュームも凄かったゲームとなります。
内容的にバトルもある燃えゲーということも相まって、久しぶりに物量で一気に押し切られたって感じの作品でしたね。
とにかく勢いで持っていかれるような、制作陣の熱い熱意を感じた作品でした。
ゲームジャンルはノベルゲーなのですが、少々変則的なので補足しておきます。
システムはマップ上から場所を選んで移動するタイプであるものの、それ以外は基本的にノベルタイプのADVと変わらないでしょう。
もっとも、1つだけ違ったところもあります。
本作は格闘物で、移動先に敵が待ち構えていることが多いのです。
そのため、敵と遭遇したら戦闘になりました。
まぁ、それ自体は凄くシンプルでしたけどね。
とはいえ、テンポの良い戦闘なので面倒にもならなかったし、適度な緊張感も生まれたのでメリハリがついてだれずに遊べました。
ここら辺は、アリスの『only you』と通ずるものがあるでしょうね。
ストーリー等は水準よりは上だし十分に楽しめたのですが、単独では名作には及ばないなってところでしょうか。
燃え路線で人を選ばず楽しめるでしょうが、ストーリーだけを求める人には物足りないかもですね。
もっとも個人的には、恋愛も陵辱も両方あるので好みの路線でした。
<評価>
ストーリーだけであれば名作に届かないというところなのでしょうが、キャラは可愛いし(特にロリィな先生が可愛かった)、上記のとおり物量がありますからね。
グラフィック、キャラ、ボリュームで点を稼いだ感じとなり、総合でも十分名作といえるでしょう。
ランク:A(名作)
Last Updated on 2025-01-06 by katan
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