『古書店街の橋姫』は、2016年にWIN用として、ADELTAから発売されました。
これが同人なのかと思うくらい、総合力はとても高い作品でしたね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
大正十一年六月 梅雨の神保町
会津から上京してきた玉森は、帝大合格を目指す浪人生。
しかし底知れない空想癖とだらしない性格が災いし、たった二年で下宿先に見限られてしまう。
とある縁で古書店・梅鉢堂に住み込みで働くことになった玉森は、同郷の親友らに甘えながらも浪人生という猶予期間を謳歌していた。
そんな中、頼りにしていた親友の相次ぐ自殺と怪死。
雨の降る三日間をなぜか繰り返していることに気づいた玉森は、彼らを掬うため神保町を奔走する。
何が現実で、何が幻覚なのか。
友人の死の謎を追う、ポップオカルトな大正ミステリー
<感想>
2500円くらいでこれをやられてしまったら、フルプライスのエロゲはもうどうしようもないよなと思ってしまうような作品でした。
そう思ってしまった主な理由は、グラフィックの力によるものだと思いますが、他のノベルゲーにはないような、独特の雰囲気を作ることにも成功していますし、サウンドやボリュームなど他の要素も、フルプライス作品と同等以上ですし、総合力としては、かなり高いレベルにある作品だといえます。
だからもし私が、男性向けゲームをせず、女性向けゲームしか知らなかったとすれば、本作を絶賛していたかもしれませんし、そのくらいのレベルの作品ではあると思います。
ただ、唯一気になったのがストーリーでして。
なんていうか本作は、ゼロ年代前半によく見かけたようなタイプの作品であり、その頃の男性向けノベルゲーをやっていた人だと、あまり新鮮味は感じられないのかなと思います。
<評価>
総合では良作としておきます。
ストーリーが思ったほどでなかったことから、どうしても辛めの評価となってしまいましたが、作品全体から感得できる世界観や完成度には、一見の価値があるとは思いますね。
ランク:B-(良作)

Last Updated on 2024-09-08 by katan