華アワセ 唐紅/うつつ編

2015

『華アワセ 唐紅/うつつ編』は2015年にWIN用として、エンターブレインから発売されました。

ゲームつきムックとして発売された、「華アワセ」シリーズの3作目になります。

<概要>

“華札”を用いた札遊び、“華遷”。
その特殊な“華”の力を引きだせるのは、一部の能力者“華詠”のみ。
彼らの多くは男性であり、学園内に限り唯一の力を持つ5人は“五光”と呼ばれ、崇められている。
本作は、稀有な才能・人材を輩出する華遷国立学園を舞台にくり広げられる、“五光”を目指す男性たちと、彼らに身を捧げる乙女の物語である――。

数々の人気コンテンツを世に送り出した由良と、プロジェクト“月に叢雲、花に風(略称:月花)”が放つ、“甘く、激しく、苦しいほどの恋”が綴られる乙女ゲーム『華アワセ』
“華札”をモチーフとした、“華”と“水”たちの禁断の恋物語。

<感想>

『B’s-LOG』創刊10周年企画として制作された女性向けの乙女ゲームであり、「姫空木編」に続くシリーズ3作目になります。
なお、本作はゲーム付ムックという扱いなので、書店でも購入できます。

ゲームジャンルは基本的にはノベル系ADVなのですが、花札を応用したカードバトルが随所にありますので、ノベル+カードという捉え方で良いのでしょう。

今回は諸事情によりというか、シリーズものの3作目ということもあって、簡易感想で短めに終わります。

このシリーズに関しては過去にも絶賛していますし、それでいて基本的な部分は過去作を踏襲していますので、全体的なクオリティは名作~良作の水準にあることは間違いないのでしょう。

その上で、若干の違いを書いていきますと、まず、価格が倍になりました。。。
今までは、メインとなるキャラは一人でした。
しかし、今作ではタイトルに二人の名前があることから、プレイ前は単純に二人分だから価格も倍なのかと思っていたわけで。
実際には、確かに過去最高のボリュームかもしれないけれど、倍まではないのかなと。
CG枚数とかも過去最高の枚数ではあるけれど、精々1割増しくらいで、倍にはなっていないですし。
まぁ、それでも、今までが本一冊分くらいの価格で、ミドルプライス作品並のCG枚数だったのに対し、今作はロープライス作品の価格で、ミドルプライス作品を超える程度のCG枚数になったわけですから、以前よりはお得感が減ったとは言っても、他所の作品と比べれば非常にお得ではありますけどね。

それよりも、むしろグラフィックの質の方が気になったかな。
由良さんは良い時は最高に良いのですが、ちょくちょく崩れる時期がありますからね。
本作では、なんかちょっと微妙な絵が増えたように思います。
あとは、これはおもいっきり主観的な話になってしまいますが、これまではOPが非常に好きだったんですよね。
だから開始直後からビビっときていたのに、今作はそれがなかったのは少し寂しかったです。

ストーリーに関しては、ラストへ向けての壮大なプロローグという感じで、確かに面白くはありましたし、最終巻が楽しみでもあります。
ただ、今作は全体におけるストーリー性を強めてきた弊害がありまして。
具体的には唐紅、うつつ、いろはという順に攻略制限が課せられたことで、個々のキャラのシナリオを求めていた人には、もの足りなく感じられたでしょう。
つまり、自然と前座扱いっぽくなってしまった唐紅が、貧乏くじを引かされた感じですね。
そこをどう捉えるのかで、本作に対する印象も大分変ってくると思います。

<評価>

まぁファンがどっぷりとはまれるだけの内容はあるので、基本的に良い作品であることは間違いないのでしょう。

ただ、私は変化を好みますので、さすがに3作目となると、ちょっと飽きてきたかもというところもありまして。
またここが過去作を大きく上回るのだというところも特にないですし、自分の基準では点の伸びないタイプとなるのでしょう。
そのため、総合でも良作とします。

評価としては、過去2作より低くなってはいるのですが、面白いシリーズであることに違いはないですし、残り1作を楽しみにして待つこととしましょう。

ランク:B(良作)


華アワセ 唐紅/うつつ編

Last Updated on 2024-09-28 by katan

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