『ダンジョンマスター』は1989年のTOWNS版を初めとして、PC各機種や家庭用ゲーム機の各機種でも発売されたRPGです。
なお、オリジナルの英語版は1987年の発売になります。
<感想>
海外では歴史的大傑作として扱われた本作。
その最たる要因は、初めてRPGにリアルタイム要素を導入したことでした。
このリアルタイム要素の導入により、これまでにない臨場感や緊張感を生み出すことに成功したのです。
考えてみれば冒険なんて、一歩間違えれば死と隣り合わせの危険で緊張感あふれるものですからね。
こういうリアルタイムの概念の導入は、とても相性が良かったと思います。
よくレビューとかだとストーリーとシステムを分離して考えがちですが、本当に絶賛されているシステムって、ストーリーにマッチしているものです。
だからこそ、プレイヤーも違和感なく入り込めるわけで。
本作のシステムなんかも、まさにその良い例と言えるかと思います。
個人的な感覚で言いますと、アクションRPGは守備範囲外であまりプレイしません。
アクションRPGって言葉の曖昧さから、ゲームショップとかではRPGコーナーに置かれていることが多いですが、私のようなアクション物をやらない人にしてみれば困ったものでして。
アクションRPGってどちらかというと、アクションゲームに分類すべきだよなって思うのです。
他方、字面からは似ていますが、アクションRPGとリアルタイムRPGは異なります。
リアルタイムRPGはアクション要素をほとんど要しないので、アクションが苦手でもわりと何とかなります。
というのも、アクションRPGは最後に指先のテクニックがものを言うのに対し、リアルタイムRPGは考えれば何とかなるんですよね。
そういう点で、本作は私の守備範囲内であり、楽しむことが出来ました。
さて、本作に関しては海外での評価に比べると、国内での認知度は格段に劣るかと思います。
1つには洋ゲーの雰囲気が合わない人も多いってのがあるのでしょうが、それ以上に発売時期や環境の問題が大きいのでしょうね。
たぶん本作については、SFC版で知った人が1番多いのではないかと思いますが、SFC版の発売は1991年です。
オリジナルは1987年で、時期的にはDQ2やFF1と同じ頃ですね。
ところが91年となると、時期的にはFF4になってしまいます。
4年の間にグラフィックを筆頭に格段に進歩しているわけで、これを同じ土台で比べるのは酷でしょう。
加えてダンマスのシステムは、PC(更に言えばマウス操作)を前提にして作られています。
これをそのままSFCに移植しても、操作性が悪いだけです。
SFC版ダンマスの印象でダンマスが駄作って思っている人も、少なからずいますしね。
そのため、87年にオリジナルをプレイした人、89年にPC版をプレイした人、91年にSFC版をプレイした人の中で温度差が生じやすかったのだと思います。
仕方ないと言えば仕方ないことなのですが、それで不当にゲームの評価が下がっているのなら、それはゲームにとって不幸なことであり残念なことだと思いますね。
<評価>
私の評価ポイントと少しずれるので、たぶん本来なされるべき評価よりは辛めになっているかと思います。
それでも、そのシステムの斬新さから、総合でも名作といえるでしょう。
古いゲームではあるけれど、RPGの歴史を振り返る上でははずせない、そんな1本でしょうね。
Last Updated on 2025-05-11 by katan
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