ALMA ~ずっとそばに…~

2003

『ALMA ~ずっとそばに…~』は2003年にWIN用として、Bonbee!から発売されました。

発売までに結構時間がかかったように記憶しているのですが、的良みらんさんが原画ということでも注目した作品でした。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
3年前、事故で両親を失った主人公は、それからは妹と気の合う友人達と、何気ない平穏な日々を過ごしていた。
そんなある日、一人の転校生がやってきた。
彼女はまるで巧巳を知っているかのような素振りで接してくる。
まるで吸い込まれるような深い色の瞳に戸惑う巧巳。
彼女と出会ったことをきっかけに、巧巳自身、忘れている過去がゆっくりと紐解かれていく…。

<感想>

Bonbee!の作品としては、『Ribbon2』(1999年)以来となりますので、結構間が空いた感じですね。
ボンびぃボンボン!時代からのブランドのファンとしては、どうしても気になるところでありますし、それに加えて本作の原画は的良みらんさんでした。
近年は一般向けの漫画とか描いているようですが、当時は成人向けの漫画を描いており、それで私も知っていました。
たぶん的良みらんさん原画のエロゲはこれだけだと思うので、そういう意味では資料的価値もあるのでしょう。
もっとも、今現在の本作に対する世間の印象としては、Keyのライターとして活躍する魁さんの初期の作品というイメージが強くなるでしょうか。

上記の紹介から、何となく予想できるかもしれませんが、本作は、いかにも当時のいわゆるシナリオゲーっぽい作品でした。
あらすじの1行目からして、既に既視感を覚えるような設定ですしね。
そのため、似たような作品を求めている人であれば、一定の満足を得られたように思います。

他方、少しでも意外性を求める人だと、本作との相性は悪いでしょう。
というのも、上記の通り、内容はいかにもVAっぽい内容ですし、また、個別ルートの展開や、個々のシナリオの幅等に、あまりバリエーションがない作品でもありました。

それに加えて、本作はヒロインを選択して進めていくタイプの作品で、ゲームという観点からも非常にシンプルでした。
このゲームデザイン自体は、特に良い悪いとかはないのでしょう。
ストーリーが凝っていて、読ませることに特化したいのであれば、場合によっては、こういうデザインもありだとは思います。
しかし、本作の場合、ストーリーに意外性がないのですから、ゲームデザインまでシンプルにしてしまうと、余計にも薄く見えてしまうのです。
そう考えると、本作においては、上手く機能していなかったのかなと。
何事もトータルでのバランスが必要ということですね。

<評価>

キャラデザインは良かったと思うし、悪い部分ばかりではないのですが、どうにも薄められた作品という印象が強く、独自性の乏しい作品だったように思います。
そのため、総合では凡作とします。

もっとも、妹が可愛い作品でしたし、原画のファンであれば唯一無二の作品ともいえるでしょうから、その辺りにピンと来る人であれば、楽しめる可能性が高いと思うので、検討してみる価値はあると思いますね。

ランク:D-(凡作)

Last Updated on 2025-08-26 by katan

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