『少女と年の差、ふたまわり。』は2018年にWIN用として、あかべぇそふとすりぃから発売されました。
オッサンと少女の恋愛。
今のエロゲに求められているのは、こういう作品なのでは。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
会社員・城西雅実(しろにし まさみ)は、淡々とした人生を送ってきた。
両親と死に別れたり、身体を壊して入院して、それが原因で転職をしたり……
途中でいろいろなことがありはしたが、それはそれとして、その日を生きてきた。
そして気付けば、オジサンと呼ばれる歳。
友達や恋人もおらず、職場の人と適度な距離を保ちつつ、1人暮らしの日々を過ごす。
そんな彼には、いとこが1人いた。
娘と2人で暮らす彼女は、よく雅実に電話をしてくれる。
彼女と話すのは、雅実にとっても、それなりに楽しかった。
いとこの仕事はホステス。
昼に寝て、夜に出勤。
……なので毎日、娘を家に残して、仕事に行っていた。
まだまだ大きいとは呼べない娘――水香(みずか)は、夜にいつも家で、1人きり。
いとこは雅実に、時間があるとき、水香を構ってあげてほしいと頼む。
だから雅実は、水香に連絡をしてみた。
一緒に夕飯でも食べないか、と。
寂しいオジサンと、寂しい少女。
些細なきっかけから、1人だけの時間が、2人のものになっていく。
<感想>
本作のストーリーは極めてシンプルであり、主人公が自分のイトコの娘を預かっているうちに、
次第に恋愛感情が生まれていくというものになります。
オジサンと少女との年の差のある恋愛作品は、漫画とかでは最近も人気作品が出たりしていますが、エロゲではあまり見かけません。
しかし、エロゲユーザーが高齢化していると言われる今日、もしそれが本当なのだとしたら、今後はこういう作品こそ増やすべきではないでしょうか。
これがね、昔の恋愛SLGが多かった時代だと、また事情が異なると思うわけでして。
1週間のスケジュールを組んで、部活や勉学に励むのならば、学園生活をもう一度やりなおすような気分に浸れるので、主人公を学生にする意味も十分にありました。
しかし仮に、恋愛SLGで主人公をオッサンにすると、出社して、仕事して、残業して、帰宅して・・・という流れを、リアル仕事を終えて帰宅したオッサンに強いるという、それなんて罰ゲーム・・・という状況になっちゃいます。
だから恋愛SLGよりもノベルゲーの方が、オッサン主人公を使いやすいわけで、その観点からも今の時代に合致すると思うのですよ。
もっとも、主人公を大人にした場合、よりライターの力量が問われることになります。
というのも、ライターの力不足により生じた、主人公の言動の矛盾や理不尽さなども、主人公が子供であれば、思春期の少年の持つ青臭さという感じで、何となくごまかせちゃえます。
しかし、主人公が大人だと、そういうわけにもいかないわけでして。
設定だけ大人で、言動が子供のままだと、当然ながら違和感が生じますし、ストーリーも破綻しかねません。
そのため、きちんとした大人を描くためには、ライターにもそれだけの素養が、きちんと備わっていなければならないのです。
そういうこともあり、本作のような作品の需要が、潜在的には高かったとしても、なかなか急には増えないのでしょうね。
上記のような事情から、上手く書けないと、ネタゲーで終わってしまうおそれもありましたが、その点では本作は、それなりに良く書けていたと思います。
前半は二人の関係の変遷を丁寧に描き、単なる抜きゲーにならないようにしつつも、後半はエロが多めで、同系統の漫画とは異なる魅力も出せていますしね。
そのため、本作のタイトルを見て、何か惹かれるものがある人は、大抵が一定以上の満足を得られると思います。
ただ、若干気になる点もありました。
一つ目は、頭と体のバランスに少し違和感があったことです。
二つ目は、題材的にミドルプライスにして、コンパクトにしたことは英断と考えつつも、その価格に比して、一枚絵の数が少ないことです。
三つ目は、本作が分岐のない一本道の作品である上に、特にストーリー上に盛り上がるシーンもなく淡々と進み、ラストもあっさり目であることから、ややインパクトに欠けることですね。
<総合>
総合では、佳作としておきます。
単純に読んでいる分には、面白いと言えるのですが、付加価値的な部分が弱かった感じですかね。
本作のヒロインは、単なるその辺の少女ではなく、主人公のイトコです。
イトコだからと安心して娘を預けたら、自分と同年代のオッサンに大事な娘を奪われる、その母親の複雑な心理というものは、容易に想像することができるでしょうし、掘り下げがいのあるキャラだと思います。
本作でも、イトコに真実を話す場面が一つの山場とはなっていますが、丁寧さはありつつも盛り上がりに欠ける作品だけに、このイトコをもう少し有効活用できていれば、もっと面白くなったように思いますね。
ランク:C(佳作)
DL版
Last Updated on 2024-04-18 by katan


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