『ノスタルジア1907』は1991年に、シュールドウェーブから発売されました。
X6800、メガCD、PC98で発売され、翌年にはTOWNS版が発売されました。
爆弾解体が熱い、推理ADVでしたね。
<概要>
ゲームジャンルはコマンド選択式のADVになります。
舞台となるのは、1907年の豪華客船ノスタルジア号。
そこで爆弾によるハイジャックが発生し、同時に犯人により「『ロシアの霧』を探しだせ」と命じられます。
容疑者とされた主人公の日本人ヤマダカスケは自らの無実を証明するため、犯人と『ロシアの霧』を見つけるべく奔走することになるのです。
<感想>
一言でADVといっても、そこには様々な要素が含まれます。
ストーリーの優れた名作もあれば、ゲーム性に富んだ名作もあるでしょう。
またグラフィックが素晴らしい名作もあるわけです。
もちろんプレイする側としては、全部が優れたゲームであれば文句なしでしょう。
しかし、ハードもあまり発達していなかった時代には、いろいろと制限も多いですからね。
そうなってくると、どうしても力を入れられる箇所も限られてきます。
逆に限られているからこそ、どこに力をいれるのかが大事なのであり、そこで他には負けない物が作れれば、それは強烈な魅力にもなるのでしょう。
1991年というのはノベルゲーもあり、CD媒体のおかげでアニメをふんだんに使った作品もあり、ADVといえども方向性は様々に分かれていった時代でもありました。
自分達の作りたいものと、そのハードで出来ること。
その狭間で様々な方向性が模索されていた時代だったんじゃないかなって、今になって思うんですよね。
そうした状況下で発売されたのが、『ノスタルジア1907』だったのです。
<グラフィック>
『ジーザス』(1987年)発売以降、ADVの演出面は特に強化されていきました。
グラフィックで他社との違いを見せようとする作品が増え、アニメーションが導入されたりもしていきました。
そんな風に、他社作品が派手に進んでる中、『ノスタルジア1907』はあえてセピア調の地味なグラフィックで登場しました。
うちはグラフィックではごまかしませんよ、それ以外の中身で勝負しますといった感じがして、そこに制作者の強いこだわり・意気込みを感じたものです。
<ゲームデザイン>
さて、本作は基本的にはコマンド選択式のADVになります。
もっとも一部で尋問シーンというのがありまして。
そこでは、感情を最大13のブロックから選ぶことになります。
近年の例で言えば『東京魔人学園剣風帖』とか、『ガンパレードマーチ』の感情入力と同じですね。
あれを想像してもらえば分かりやすいと思います。
なるほど、こういう方法があったかと思いましたね。
プレイヤーの意思をゲームに反映させるという点で、素晴らしい閃きだったと思います。
まぁ、厳密には、過去に喜怒哀楽の4つの感情で表現させるシステムもありましたので、その発想から更にグレードアップさせたとなるのでしょうけどね。
また、ゲームの終盤では、爆弾解体シーンがありました。
やること自体は選択肢の連続なのかもしれませんが、凄くハラハラしましたね。
この場面は本作の最大の見せ場であり、ストーリーの緊張感とゲームの緊張感を上手くマッチさせた良い例と呼べるのではないでしょうか。
<サウンド>
このゲームは、サウンドにもこだわっていました。
いろんな機種で発売されたので記憶が曖昧な面もあるけれど、メガCD版にはサントラCDが付属していて、このCDは時々聞いてるよ~って話も聞いたりしますからね。
<ストーリー>
ストーリーはタイタニックをモチーフにした豪華客船もの。
ある意味定番だし、豪華客船を扱った推理ADVとしても、前年には『黄金の羅針盤』という素晴らしい作品もありました。
そのため舞台自体、今だと逆に珍しく感じるかもしれませんが、当時としては、それ程新鮮さはないかなと思います。
とはいえ、堅実に出来ていて、かなり面白かったのも間違いないですね。
何よりサウンドやセピア調のグラフィックと相まって、とても雰囲気の良い作品でした。
<評価>
その特徴から、総合でも名作といえるでしょう。
セピア調のグラフィックは大人っぽくて良いと評価する人もいれば、やっぱり派手に色があった方が良いよって人もいるでしょう。
グラフィックで駄目って人もいるでしょうから、そういう人は避けた方が無難かなとは思います。
またボリュームが少なめであることから、ボリュームを求める人にも向いていません。
でも逆に、斬新で練られたゲーム性を味わいたい人、心地の良いサウンドや渋いグラフィックで、
大人な雰囲気に酔いたいって人ならば、きっと今やっても楽しめるのではないでしょうか。
どちらかと言うと通好みの作品という印象ですが、それだけに、好きになると何年も記憶に残り続けるような、そんな魅力を有していた作品だったと思いますね。
ランク:A(名作)
Last Updated on 2024-08-21 by katan



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