Quartett!

2004

『Quartett!』は2004年にWIN用として、Littlewitchから発売されました。

Littlewitchの代名詞とも言えたFFDシステムを存分に活かした作品でした。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
コンクール開催まで、あと84日──。
3月17日、音楽祭のファイナルとして『マグノリア・カルテット・コンクール』は開催される。
全国から選ばれた24組96名の若者たちが腕を競い、優勝者には大きな名誉と成功への切符が約束されるのだ。
若者たちは、それぞれの夢や願いを抱いてコンクールを目指す。
かつての天才少女 『シャルロット・フランシア』
陽気なムードメーカー 『ユニ・アルジャーノ』
物静かな優しい少女 『李・淑花』
主人公 『フィル・ユンハース』
時にはぶつかり合い、悩みながらも、彼と彼女は、音楽から生まれたほんの小さな絆を信じて――。

<感想>

FFDシステムとは、フローティング・フレーム・ディレクターシステムの略であり、ぶっちゃけ漫画のような演出を施したゲームでした。

このFFDをひっさげてデビューした作品が『白詰草話』だったわけですが、その頃の私は、どちらかと言うと懐疑的だったんですよね。
というのも、漫画的手法をゲームに持ち込んだと言っても、デジタルコミックの類は80年代からありますし、同じような発想は一般PCゲーで外国人が作っていたりもします。
こういう発想自体は、5年以上前にそれなりにあったわけで、今更何を凄そうに宣伝してるのかなと思っちゃったわけです。

しかし、やっぱり続けるってことは大きいですね。
本作でもFFDが採用されているところ、より一層システムが洗練され、演出面も強化されました。
加えて今回の舞台が音楽学校ということで、サウンド面も非常に強化されてきました。

この音と絵の相乗効果は抜群で、他のADVにはない独自の雰囲気を完全に作り上げたのです。
この当時のアダルトゲームは、学園物が主流ということもあってか、序盤がだるいのが大半ですが、久しぶりに開始直後、それこそ始めた瞬間から引き込まれたゲームでしたよ。
これはぜひ、1度は体験してもらいたいものですね。
似たり寄ったりなレイアウトのゲームが氾濫する中で、一際異彩を放っていますから。

ただ、決して問題がないわけでもありません。
こうした作りなので、ボリュームが増えれば増えるほど、制作の労力が格段に増していきます。
そのため本作のボリュームも、他のゲームの半分くらしかありません。

ストーリーも、雰囲気は良いのですが、格別優れているってほどでもないですしね。
総合的なエンターテイメントを求めるなら満足できる可能性は高いですが、もし長編小説を読んだときのような満足感を求めるのであれば、本作は合わない可能性も出てくるでしょう。

そういう意味では、必ずしも万人向けとは言えないのでしょうが、それでもたまには、こういうゲームがあっても良いよなって思うわけでして。
今日はシステム的に似たようなゲームばかりになっているだけに、こうした試み自体を評価したいものです。
負担が大きかったのか、Littlewitchも以後はFFDを使わなくなっています。
せっかく独自の魅力を持っていたのですから、できればまた使って欲しいのですけどね。

<評価>

総合では最後まで悩みましたが、同系統の作品との明らかな違いとまで言えるような突き抜けたものまではないかなということで、名作に近い良作とします。

時代が求めたのが音声とボリュームということで、こういう形式は世の流行から外れてしまっているのかもしれません。
でも、売れ筋の主流路線だけが全てではないわけで、もしアダルトゲーマーでいながらこういうゲームを知らないのであれば、やっぱり損していると思うんですよね。
プレイした上でどう評価しても一向に構わないのですが、やるだけはやってもらいたいなと思ってしまう作品ですね。

ランク:B(良作)

DL版

Last Updated on 2026-01-19 by katan

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