『マブラヴ オルタネイティヴ』は2006年にWIN用として、アージュから発売されたノベルADVです。
あぁ~、ようやく世界に追いついた。
それが、率直な感想と言えるでしょうか。
<感想>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
国内のADVのグラフィックは、どうしても世界のADVのグラフィックと比べると見劣りがしました。
新世紀に入って以降、特に2001年~2005年頃までは、その進化はほとんどなく、せいぜい一枚絵の拡大縮小くらいなものでしたし。
アージュという会社は、これまでにもグラフィックには非常に力を入れていました。
そして、その集大成がこの『マブラヴ オルタネイティヴ』なのでしょう。
その派手な演出は、他のどのADVをも凌駕していましたしね。
それともう一つ、以前から私が懸念していたことでもあるのですが、1993年に『あゆみちゃん物語』が発売されました。
それ以後、国内のADV(特にアダルトゲーム)の楽しみ方に、CG(或いは既読率)100%を目指すというものが追加されました。
私なんかも『あゆみちゃん物語』にハマッたくちですが、明確な目標を持たせる点で、これはある意味最高クラスの革命の一つだと思います。
プレイヤーはCG等の100%を目指してプレイするようになり、制作側もこれに即したゲームを作るようになっていきました。
つまり、普段は立ち絵で進行し、大事な所で一枚絵が出てくるという、今のノベルゲーの典型的なパターンですね。
この典型的なパターンのADVが爆発的に浸透していったわけです。
※浸透する過程にある98時代のゲームを見ると、意外と面白いですよ。
必ずしも立ち絵+一枚絵とは限りませんから。
これはこれで確かにOKですよ、私もかなり楽しんでいましたし。
問題はそれだけになり、かつそれに縛られてしまうって事なのです。
長くなるので細かい点は割愛しますが、重要部分で一枚絵という構造は、どうしてもストーリーや演出の幅や在り方に制限を加えてしまうのです。
一定の枠に嵌められてしまうって方向でね。
海外のADVには、当然こういう縛りはありません。
だから海外のADVをプレイした後に国内のADVをプレイすると、どうしても窮屈に感じてしまうのです。
まぁこの感覚は、エロゲしかプレイしない人には、中々理解してもらえないのですけどね。
昔は何とか理解してもらおうとした時期もありましたが、解らん奴に何言っても無駄だろと今はもう諦めましたw
こうして『あゆみちゃん物語』が生み出した新たな魅力は、アダルトゲームに新しい可能性を生み出すと共に制限をも生み出しました。
この制限というか縛りが、今日まるで呪縛のように存在してると私には思えるのです。
少し偉そうなことを言いますが、現状のゲームデザインに満足しきっている、あるいは何の疑念も浮かばないユーザーや制作者は、少し他の物にも触れて視野を広げるべきじゃないかなって思います。
そうでないとゲームの可能性はますますなくなってしまいますから。
(まぁ、だからといって、安直に映画やアニメの手法を借用するのは、全く褒められはしないですけどね。)
私は当事者ではないので、制作陣がどう考えてるかは知りませんが、アージュという会社はこうした縛りを打破して、もっと自由に物語を綴りたかったのではないでしょうか。
それが一枚絵の演出の強化ではなく、それ以外の立ち絵等の強化といった方向性に向かったのかなって思ったり。
本作品の存在価値。
それは世界水準に並ぶと共に、10年以上続いた縛りからの脱却にあったのだと私は考えます。
上述の点に関しては、高く評価されるべきだと思います。
ただ、誤解を招かないように補足しておきますが、確かに、表面上の演出は世界レベルになりました。
しかし、オルタは読むだけですからね。
演出的には、アニメを挿入しても構わないと言えば構わないわけです。
まぁ、そんなことしたら費用とボリュームが凄いことになりますけれど。
それに対して同じ年に発売された作品、例えば『RUNAWAY2』なんかが良いですかね。
これなんかはキャラを動かしたり画面をクリックしたりと、こちらが介入していきます。
この場合にはアニメを流しっぱなしってわけにはいかないから、それ以外の手法が必要になります。
また、そういう状態でハイクオリティなグラフィックを維持するのは、かなりの労力を要するでしょう。
そう考えると、表面上は世界に並んだようでも、実質的にはまだまだ届いてないのかなと思ったり。
そのため、凄いと言いつつも、それは主に物量面の話であり、実のところ、個人的には驚きや衝撃といったものは、ほとんどなかったりします。
また、演出面は良かったけれど、他の部分はそれ程でもなかったですしね。
ストーリーは良くも悪くも厨二というか少年漫画的な勢いだけだし、主人公はヘタレだし。。。
このゲームは一般向けも出てますよね。
少年漫画みたいなノリって事からすれば、これは正解なんでしょうね。
少年漫画的な王道っぽい展開が好きならば、きっと凄く面白く感じるんでしょう。
逆にこの類はもう飽きたって人は、少し辛いかもしれません。
最近では萌え重視でなく凌辱でもなければ、燃え中心ってだけでもストーリー重視とか言われてます。
それで勘違いして、ストーリーに期待すると痛い目に合うかも。
そういうのとはちょっと方向性が違うと思います。
個人的には少し稚拙な印象を受けましたね。
まぁ、これが最初に一般向け家庭用ゲームで出てたら、中高生あたりに絶賛されるのもわかるんですけどね。
18歳以上のアダルトゲームで、一部とは言え何故に絶賛されるのか、個人的にはちょっと解せなかったりします。
※以前、独自理論の超解釈で意味不明な絡み方をしてきた人がいたこともあり、この作品自体はそれなりに好きなのですが、逆に信者への心象は最悪です。
こちらにはこういうのは駄目と言いつつ、言った本人は平気でそういうことをやってきているし、いかにも厨二全開な人だったので、そういう人に支持されているのでしょうね。
あぁ~この程度の人が褒めているのかと思うと、阿呆くさくなりました。
それと、言われるほどには鬱・グロ成分はなかったですね。
アダルトゲームならこれ以上の物は幾らでもありますし。
また、私はあまり気にしないけれど、当初『マブラヴ』は超王道路線って言ってましたよね。
当然、そういうのが好きでそういうのを求めて購入した人も多いはず。
それなのに、2つに分割した挙句のこの展開ですから。
期待を裏切られた人もそれなりの数になるだろうし、ある程度は叩かれてもやむを得ないでしょう。
ユーザーが勝手に期待したケースとは異なり、メーカーが騙したわけですからね。
<評価>
内容的には特にみるべきところはなく物足りなかったのですが、少なくとも演出面だけは他より群を抜いているのは確かです。
そのため、総合的には良作としておきたいと思います。
まぁ、良くも悪くも2006年を代表する作品ではありますので、1度は手にしてみる価値はあるのではないでしょうか。
ランク:B-(良作)

Last Updated on 2026-02-16 by katan


コメント
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実は途中で放置しているんですが
>それで勘違いして、ストーリーに期待すると痛い目に合うかも。
俺的にはこれにはまっちゃった、って感じです。
知人が非常に褒めちぎっていて、俺もその人のゲームを見る目を結構信頼していたのでプレイしてみたのですが(無印・アンリミテッド含む)、うーん、ていう感じです。
俺は主人公がヘタレでもどうでもいいんですけど、そのアイデンティティの確立につき合わされるのはまっぴらごめんですw
いきなりどえらい世界に迷い込んだ主人公が全てを賭けて戦う、という選択に至る説得力のための展開なのかも知れませんが、俺には苦痛以外のなにものでもありませんでした。
例えば「ファイナルファンタジー10」は、主人公が何もわからない状態で異世界にやってきて、その世界の常識や価値観に違和感をおぼえつつも、自らがやるべき事を見つけていく、という点では少し本作と似ていますが、その過程に説得力があり、プレイヤーは完全に客観というわけでも、主観というわけでもない絶妙なポジションでその物語に没頭できました。まあこのへんは人によるのでしょうかね。本作にはハマれてもFF10は無理だったという人もたくさんいるでしょうし…。
敵の解説を一体一体聞かされたりするのも心底苦痛でした。スタッフ的にはものすごく時間をかけて考えたものをなんとしても知ってもらいたい、というキモチがあるのでしょうが…。もうほんとにBETAと戦えるくらいの知識を身につけられそうですからね、これをプレイするだけでw
もっとも、最終的な評価はちゃんと最後までプレイして、あらためて下そうと思いますが、とにかくもっと思い切った「編集」が必要な作品である事は間違いないと思います。
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>>マスター栄者 さん
今の主流路線でもある「萌えゲー」と「燃えゲー」の場合、
安易に評判を信じるのは危険でしょうね。
それと最近のゲームに限定して言えば、
伏線の凄いゲームとか設定の凄いゲームってのも危険な気がします。
そういうのに限って、かえって魅せ方が下手糞なのが多い気がするんですよ。
面白いゲームを見つけ出すのも、なかなかに難しいものですね。