喪失のMarried Life

2012

『喪失のMarried Life』は2012年にWIN用として、VENUSから発売されました。

得意の寝取られものであり、後の方向性が垣間見える作品でした。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系のADVになります。

あらすじ・・・
恋愛、結婚、妊娠と幸せな道を歩んできた。
子供が幼稚園に通うまでに成長し、育児にかかる手間も減ってきている。
「二人目、頑張ってみる?」
この言葉で、妊娠してからご無沙汰だった妻とのセックスが増えた。
それが、この物語の引き金となった・・・。

出来ちゃった結婚の妻「陽子」
処女喪失から間もなく妊娠。
そのため性に関する経験は少ない。最近は、不感症に悩んでいる。

<グラフィック>

このサークルの作品を一度でもプレイすると、結構はまる人も多いと思うけれど、良い評判を聞いても中々手を出せない人がいるとするならば、その最たる要因はグラフィックなのでしょう。
同人ゲーということもあり、原画とシナリオが同一です。
また、ちょっと癖がある絵なので、どうしても意欲が沸かないってことはあるのかなと。

私自身、このサークルの初期の作品のサンプル画像を見ると、ちょっと躊躇しちゃいますしね。
もっとも、決して上手い絵とは言えないものの、絵の方向性はわりと好みだったりしますし、本作辺りから進化も感じられます。
それで、これなら楽しめそうかもと思った次第ですが、ここら辺は絶対に本作からプレイしてみてというのではなく、自分が楽しめそうな作品から手を出せば間違いないのでしょう。

基本的なグラフィックを良しとした場合、本作には目パチなどもあり、製作に手抜きはしていないという意思が伝わってきて個人的に好印象です。
また基本CG枚数は45枚あり、差分を含めると400枚に及びますので、低価格商品としては十分すぎるほどの量と言えるでしょう。
すなわち、この原画で楽しめるかという最初のハードルを越えれば、その後の満足度は高くなるのです。
本作のヒロインは好みでしたから、当然私の満足度も高かったです。

VENUSは、後の作品では背景と一体化した立ち絵の用い方が抜群で、それが他ブランドにない無二の特徴となっています。
本作では、後の作品ほどの顕著な使用はないものの、部分的に後につながる方向性の片鱗を垣間見ることができます。
この点も踏まえれば、演出的な要素も良かったと思いますね。

<感想>

前半は旦那視点で語られ、後半は妻視点で語られる、いわゆる寝取られもの(NTR)になります。
基本的にはオーソドックスな構成と言えるのでしょう。

間男は2人いて、一人とは和姦ないし浮気方向で進行します。
もう一人の方は、浮気現場を発見し無理やり脅してって感じですね。
状況に流されたり、或いは仕方ないという場面に遭遇しつつ、異なる方向性のNTRを丁寧に描いていました。
そのためNTRが好きなら、まず楽しめると思います。

プラス要因としては、一人のヒロインを掘り下げていることと、その中に2種の異なるタイプの寝取られを組み合わせていること、そしてヒロインの子供が随所に登場し、ヒロインの女の顔と母親の顔の対比が描かれていることから、そのギャップがNTRの背徳感を更に増しているところでしょうか。
一人の女性を様々な角度から表現したことは良かったと思います。

逆にマイナス要因としては、旦那とセックスレスだったり、浮気されても仕方ないなという事情が存在することです。
ここは好みの問題かもしれませんが、寝取られないはずが寝取られるからショックも大きくなるのであり、旦那側に寝取られる要因が増えてしまうと、寝取られても仕方ないよねって思ってしまいます。
本作は主人公側に魅力が乏しいために、妻に裏切られることのショックが伝わりにくくなっているのです。

<評価>

後に最大の特徴となる要素は、本作ではまだ部分的でしかなく、良い点も悪い点もそれぞれあることから、総合では良作ってところでしょうか。
上述した以外にもシステム面の弱さもあるので、長短相殺された感じですね。
まぁ、次作の演出が本作にも備わっていれば、文句なしに名作でしたけれど。

主観的には好きな作品ですが、何れにしろプラスマイナスのハッキリした作品ですので、上述のマイナス要因が気にならないって人ならば、きっと楽しめると思います。

ランク:B-(良作)


喪失のMarried Life dl

Last Updated on 2024-11-30 by katan

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