『Ripper』は1996年にWIN用として、Take2から発売されました。
なお、日本語版はありませんので、英語版でのプレイとなります。
タイトルからも想像ができるかとは思いますが、RipperとはJack The Ripper、つまり切り裂きジャックをモチーフにした作品になります。
<ストーリー>
切り裂きジャックって、昔は結構、いろんな作品で名前を見かけたのですが、最近はあまりこの名を聞く機会がないように思います。
もしかしたら、もう知らない人も増えてきてるのでしょうか。
まぁ、日本の場合、ブームが過ぎてしまうとそんなものかもしれませんね。
一時より影が薄くなったとはいえ、切り裂きジャックは設定的にインパクトがありますからね。
クリエイターとしては、題材として使いたくもなるのでしょう。
そのため、切り裂きジャックについて、部分的に用いられた作品も幾つかありますが、中には正面から扱った作品も当然あるわけで、本作もその中の1本になります。
なお、Take2は後に、『Black Dahlia』という作品も作っていまして。
『Black Dahlia』では、文字通りブラックダリア事件を扱っています。
したがって、そうした実際の事件等を題材にすることが得意なところなのでしょう。
さて、具体的な中身を見てみますと、本作の舞台は切り裂きジャックのいた時代ではなく、西暦2040年という近未来になります。
発売当時は、40年も先の未来と思っていたのですが、時の流れは残酷ですね。
今ではもう、2040年の方が近くなってしまいました。
そんな近未来を舞台にした本作。
Ripperと名乗る切り裂きジャックもどきが現れ、事件が発生することになります。
物語のジャンル的には、ミステリーとかサイコスリラーとかになるでしょうか。
<ゲームデザイン>
ゲームジャンルは、当時の表現としては、インタラクティブムービーとなります。
今ならFMV(Full Motion Video)という言い方になるでしょうか。
まぁ、見方を変えれば、実写ムービーを多用したP&C式ADVといえると思います。
ストーリーやゲーム部分については、特別凄いというところはなかったように記憶していますが、それでも普通に面白いといったところでしょうか。
<グラフィック>
FMVということで、メインは映像と音声になります。
ここは非常にレベルが高かったですね。
プレイ前は映像に対する期待が大きかったのですが、実際にプレイしてみると、むしろ音楽が非常に良かったように感じました。
私は洋画には疎いのでよくわかりませんが、役者としてはクリストファー・ウォーケンとかも出ていますので、洋画に詳しい人なら馴染みの人もいるかもしれませんね。
<評価>
演出面全般は文句なしでしたし、ストーリーや謎解きも楽しめました。
CD6枚組みの大容量で、それだけでも満足できた作品でしたね。
実写動画を用いた作品は、私自身はかなり好きなのですが、一般的には人気は低いように思います。
とはいえ、私みたいに好きな人も、少なからずいると思います。
もし実写動画を堪能できるADVに興味があるならば、このブランドの作品はプレイしてもらいたいですね。
ランク:AA-(名作)
Last Updated on 2024-05-05 by katan
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